イノベーションと改善の違い(前編)

手記
02 /15 2019
 2 年前にようやくガラケイからアイフォーンに変えてみて、その便利さに驚きました。
もう一度ガラケイに戻りたいとは思いません。

 まだ使いこなせていない機能がたくさんあって、少しでもそれを教えて貰えたときには非常に得した気分になります。
まだガラケイにこだわっている方には早く切り替えをされることをお勧めします。基本的な機能を覚えるのは簡単です。
電池も結構長持ちします。

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 何故これほど便利なものを作ることが出来たのか不思議に思っていました。
その革新的イノベーションの精神や方法論を知りたくてアップル社の創業者であったジョブズのことを書いた、「人生を変えるスティーブ・ジョブズのスピーチ」(ゴマブックス社発行、国際文化研究室編)という本を読みました。

 なるほどと感じたのはイノベーションの重要性について話したくだりです。
「美しい女性を口説こうと思ったとき、ライバルの男がバラの花を10 本贈ったなら、君は15 本贈るかい?
そう思った時点で君の負けだ。」
ものづくりの現場では、改善することも重要な要素であることは間違いありません。
しかし、ジョブズは改善ではなく、イノベーションを重視しています。
この言葉は、そのイノベーションと改善について、iMac の開発当時に述べた言葉です。

 この言葉の続きには「その女性が本当に何を望んでいるのか、見極めることが重要なんだ」となります。
つまり、ジョブズはライバルの動向を気にして、ライバルより「少しだけいいもの」を作るだけではなく、世の中が思いつかないような、新しいものをイノベーションすることが重要だと考えていたのです。

(後編へ続く)

税理士・中小企業診断士 安部春之

※この記事は、株式会社アベ経営作成の「あべなび」より、ご寄稿頂きました。

働き方改革関連法の改正(後編)

未分類
01 /25 2019
働き方改革関連法の改正(前編)

Ⅲ 一定日数以上の年休の確実な取得
1.年休の強制付与の仕組み
 年休は、過去1年間(最初は6か月)の出勤率8割以上という要件を満たす労働者を対象として、継続勤務期間に応じた一定年数が付与されます。
 しかし、年休を取得する権利を付与されても、その取得率は低迷を続け、年休をほとんど取得していない労働者については長時間労働者の比率が高い実態にあります。
 改正前の労基法では、年休の取得パターンに次の2種類がありました。
①労働者が、取得の時季を指定
②年休の計画的付与の規定に基づき、労使協定により取得の時季を指定
 今回の改正では、新たに次のパターンが追加されました。
③使用者が、取得の時季を指定
 具体的な内容は次の通りです。
・対象者は、年休の付与日数が10日以上である労働者とする。
・使用者は、上記労働者を対象として、年5日の年休について時季指定(年休付与の基準日から1年以内)をしなければならない。
・ただし、①労働者の時季指定、②計画的付与により年休の時季が指定されたときは、その日数の合計を5日から差し引いた日数を時季指定する。
・①②により指定された日数が5日以上に達したときは、使用者は時季指定の義務から解放される。
 使用者の時季指定に関しては、省令で以下の努力義務を定める方針です。
・労働者から時季に関する意見を聴取
・労働者の時季に関する意思を尊重
 また、年休の取得状況を確実に把握するため、使用者は年休の管理簿を作成し、3年間保存しなければならないものとするのが適当としています。

 上記の通り、使用者は年5日の年休について時季指定する義務を負いますが、計画的付与による年休取得日数は5日から差し引くことができます。つまり、それだけ使用者が時季指定する負担が軽減されます。
 年休の計画的付与とは、使用者と過半数労組(ないときは過半数代表者)が労使協定を結ぶことで、年休の取得時季を指定する仕組みをいいます。
 協定は労基署に届け出る必要はありません。
 計画的付与ができるのは、年休の残日数(繰越分を含みます)のうち5日を超える部分に限ります。年休取得日が指定されると、使用者・労働者ともに変更権を行使できません。
 時季指定の方法には、3種類あります。
①事業場全体の一斉付与
②班別の交代制付与
③計画表による個人別付与
 平成27年建議では、労使において計画的付与制度の導入の促進の取組が一層進むよう、行政としてさらなる支援策を講じていくことが適当としています。

2.適用時期と罰則
 この規定は中小企業においても平成31年4月1日から適用です。罰則は年休に関する改正前の規定に違反した場合、6か月以上の懲役または30万円以下の罰金です。今回新設の規定に違反した場合は30万円以下の罰金です。

3.教えて貰ったことを踏まえた私見

 残業違反に関する新聞報道では、超過残業が多くて自殺者が出た場合や、一旦長時間残業で労基署の立ち入り調査を受けたにも関わらず改善されていない場合に、告発を受けたりしているようです。初めて労基署の立ち入りがあった場合には、告発まで至るケースはなさそうです。ただ立ち入りを受けた際には現状を丁寧に説明し、一時的な人手不足であることや、改善に向けて努力をしていることなどを分かって貰う必要があります。やはり直ぐには達成できなくても、努力姿勢は示せるようにしておく必要があるでしょう。

 年休に関しては、待ったなしの状態です。こちらの方がやや対応が困難かもしれません。例えばお盆休みや年末年始休暇をこれに充てる場合には、就業規則で休業日に既に日祭日やお盆休み年末年始休暇が指定されていることが多く、従業員に対する不利益変更になるので、従業員の合意を得なければなりません。
 そもそも、社員の中には一日も有給休暇を取らない人がいることを是正するためのものですから、仕事の暇な時季を選んで、仮の日にちを指定しておきましょう。(月の指定だけでは不十分です) そして、当該月になって、本人からの申し出により、希望日に入れ替えるということにすれば良いかと思います。既に年休の取得の多い社員に対しては、本人に事前に希望日を聞いておくか、仮に会社が指定しておき、実際の日にちと入れ替えるということにしたら良いでしょう。

まだまだ始まったばかりの制度で、人手不足の状況下、国としても変更権行使不可等の厳格対応をしてくるとは考えられません。
 しかし、大きな流れは変わることはないように思います。とりあえず事情説明できるようにしておくことが重要です。
生産性を向上させて、残業を減らし、有給を取得できる企業体質に変えることは、会社の魅力を高めることになります。前向きに捉えて、対応をしていきたいものです。

税理士・中小企業診断士 安部春之

※この記事は、株式会社アベ経営作成の「あべなび」より、ご寄稿頂きました。

働き方改革関連法の改正(前編)

特集
01 /18 2019
 働き方改革関連法が、早くは本年4月から施行されるに当たって、相当準備をしていかないといけないことは、マスコミ等で周知の通りです。
先日、社会保険労務士の志岐先生に経営研究会で教えて頂いたこと、小冊子を戴いたことで、働き方改革関連法がどんな内容で、中小企業としてどこに注力していかないといけないのかがある程度分かりました。

 今回の特集では、この冊子 (労働新聞社編、まるわかり平成30年働き方改革関連法) から抜粋して特集します。
ただし私は専門家ではありませんので、詳しい内容は社会保険労務士等にお確かめください。

Ⅰ.改正の主要事項
1.長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
(1)労働時間に関する制度の見直し (労基法の改正)
①時間外労働の上限について月45時間、年360時間を原則とし、特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間を限度に設定
②月60時間を超える時間外労働の割増率について、中小企業への猶予措置を廃止
③使用者に、年5日以上年次有給休暇の付与(時季指定)を義務付け
④フレックスタイム制の上限を3か月に延長し賃金清算の仕組み等を整備
⑤高度プロフェッショナル制度の創設と健康確保措置の整備

(2)長時間労働者の健康確保、産業医機能の見直し等 (安衛法の改正)
①長時間労働時の医師による面接指導の強化(一般労働者、新商品開発者、高度プロフェショナル制度の対象者)
②労働時間の把握義務の明確化(管理監督者も含め客観的な方法による旨規定)
③産業医・産業保健機能の強化(必要な情報提供等)

(3)勤務間インターバル制度の普及促進等 (労働時間等設定改善法の改正)
前日の終業時刻と当日の始業時刻の間に一定時間の休憩を確保する努力義務を規定

2.雇用形態にかかわりない公正な待遇の確保

(1) 不合理な待遇差を解消するための規定の整備
①短時間・有期雇用労働者と正規雇用労働者との不合理な待遇の禁止に関し、均等・均衡ルールを整備
(パート労働法の改正・改称、労働契約法の改正)
②派遣労働者と派遣先の労働者との不合理な待遇の禁止に関し、均等・均衡ルールを整備(派遣法の改正)
(2)労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
  短時間・有期雇用労働者、派遣労働者について、待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化(パート労働法、派遣法の改正)
(3)履行確保措置・行政ADRの整備
 上記(1)(2)について、行政による履行確保措置およびADR(裁判外紛争解決手続き)の整備

Ⅱ.時間外労働の上限規制
1.36協定事項の整理
 従業員に時間外・休日労働をさせる必要が生じる事業場では、過半数労組(ないときは過半数代表者)と時間外・休日(36)協定を締結します。協定の締結・労基署への届出を義務づけることにより、時間外・休日労働を抑止するのが目的です。
 しかし、改正前の規定では、特別条項を結ぶことにより上限なく時間外労働に従事させることができました。そうした現状について、長時間労働は、健康の確保だけでなく、仕事と家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因や、女性のキャリア形成・男性の家庭参加を阻む要因になっているという指摘がなされていました。
このため働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制を全面的に見直しています。
まず36協定で定めるべき事項ですが、従来、協定すべき事項は労基則16条に記載されていました。
今回の改正では、協定事項を整理・追加し、法律の本則に列挙しました。
①時間外・休日労働の対象となる労働者の範囲
②対象期間(1年間に限ります)
③労働時間を延長し、または休日に労働させることができる場合(事由)
④1日、1か月および1年についての時間外労働上限または休日労働の日数
⑤時間外・休日労働を適切なものとするために必要な事項
労基則・指針により、以下の事項を定める方針です。
・特別条項を発動した場合の健康確保措置
・特別条項を発動した場合の割増賃金率など
⑥④を超える時間外労働を行う場合に関する事項

2.時間外労働上限の本則への格上げ
 従来は、過重な時間外労働等が発生しないようにするため、厚生労働大臣が時間外限度基準の告示を定めていました。同告示では時間外の限度(上限)を協定すべき期間として、①1日、②1日を超え3か月以内の期間、③1年の3種類を示し、このうち②と③について限度時間(上限)を規定していました。
しかし、告示には強制力がないため、今回の改正では、法律の本則に格上げすることで、規制を強化します。
改正法が施行された後、時間外の限度(上限)を協定すべき期間は、①1日、②1か月、③1年の3種類となります。
このうち、②と③について時間外労働(休日労働除く)の上限が法定化されました。
・1か月:45時間
     ただし、1年単位変形労働時間制(対象期間3か月超)は42時間
・1年 :360時間
     ただし、1年単位変形労働時間制(対象期間3か月超)は320時間
 従来と異なり、1か月を単位とする上限が必須の協定事項となり、それ以外の期間(1日を超え3か月
以内の期間)の選択はできなくなります
 36協定の様式についても、1年間の上限を適用する起算点を明確にする等の改正を行う予定です。
 36協定を締結する際には、事業場の業務量、時間外労働の動向その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内で、上記の限度時間を超えない時間を定めます。

3.特別条項発動時の上限
 上記の限度(月45時間、年360時間等)を超える可能性がある事業場では、36協定に特別条項を付加することができます。
特別条項では、以下の事項を定めます。
①1か月に延長できる時間外労働(休日労働の時間を含みます)
 最長でも100時間未満の範囲に限られます。
②1年に延長できる時間外労働
 最長でも720時間を超えない範囲内に限られます。(休日労働は含まず)
③特別条項を発動する月数
 最大でも6か月以内に限られます。

4.適用時期及び罰則
 施行日は平成31年4月1日ですが、中小事業主については平成32年4月1日です。
 上記の最大限度を超えて労働させた場合、罰則の対象となります。改正後の労基法では、6か月以下の懲役または30万円以下の罰則です。(後編へ続く)

税理士・中小企業診断士 安部春之

※この記事は、株式会社アベ経営作成の「あべなび」より、ご寄稿頂きました。

強みを掘り下げる(後編)

手記
12 /28 2018
強みを掘り下げる(前編)

 会社においても同じだ。自社の強みはなかなか分からない。
顧客のことを考えずに、10年一日のごとく、今までと全く同じものを提供し続け、これで満足を提供できているはずだと勘違いし、じり貧になっていくケースが後を絶たない。
10年前の強みは今も同じとは限らない。

 そんなときは、最近お付き合いの始まった顧客に聞くことが一番だ。
個人の強みは照れ臭くて教えて貰えなくても、会社の強みは教えてくれることもある。
しかし乍らなかなか本音は言って貰えないものだという覚悟を持って聞く必要がある。

「どうして私どもとお付き合いをして頂いたのでしょうか?」
「他社に出来て、私どもに出来ていないことは何でしょうか?」
「私どもの至らない点は何でしょうか?」
こうして謙虚に聞けば、お付き合いをして頂いた理由が自社の現在の強みであり、至らない点が、顧客の要望であることが分かる。
そこに注力をすることで、強みを掘り下げられる。 
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 これ以外にも色々と自社の強みを知る方法があるが、いずれにしても自社の強みは、顧客の満たされていない要望の上に考えるべきだということを肝に銘じておく必要があろう。

 こうして強みが分かった上で、さらにそれを掘り下げることが必要だ。掘り下げるには、まず、予期せぬことや、産業構造の変化等の7つの事業機会を体系的に探す必要がある。そして試行錯誤し、リフレクション (振り返り) しながら卓越していく。

 当事務所でも微力ながら、この部分のお手伝いをすることが重要だと考え、取り組み始めたところです。
税理士・中小企業診断士 安部春之

※この記事は、株式会社アベ経営作成の「あべなび」より、ご寄稿頂きました。

強みを掘り下げる(前編)

手記
12 /21 2018
 恥ずかしながら私は女優の石田ゆり子が好きだ。

 49才だというのに20代のような容姿と、誰とも争わない眼差し、包み込むような笑顔がたまらない。
しかし本屋へ行って彼女の書いた本 (Lili 文芸春秋刊) を買おうかどうか4~5回悩んで、いまだに本を買わずにいる。

 いつも気になりながら、いざ本を手にしてみると買う気がしなくなる。
むしろ彼女が全モデルになったメークの本の方が買いたくなる。

 まさか男が化粧の仕方の本を買うわけにもいかず、こちらも眺めるだけで買っていない。
恐らく私のような中年男性も多いことだろう。
彼女の執筆の本は猫や家具の写真がやたら多く、日常の生活ぶりは分かるものの、彼女自身の写真が少ないからかもしれない。

 糸井重里がこの本の帯封に載せているコピーが言い得て妙だ。
「こんなに素直にたくさん書いてくれたけど、ゆり子さんの良さを一番知っていないのは、ゆり子さんだという気もするのだ。」

 我々もこんなことは多いはずだ。
自分自身の強みはなかなか分からない。大抵誰も教えてくれないからだ。
これは企業経営の現場では大いなる機会損失だ。
マネジメントとは、人の強みを発揮させ、弱みを意味なくさせることによって、成果をあげることである。

 そのために組織がある。
従って、上司は部下の強みをキチンと掴んで、本人にもそれを伝え、その強みを伸ばすことに注力するべきだ。
弱みの改善に注力させるより、はるかに成果が上がり易くなる。

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 人使いの名将、武田信玄が部下で一番臆病な人間をどう使ったか。
戦国時代は臆病な武士は使い物にならないかと思うとそうではなかった。
この者を偵察に使ったそうである。臆病な人間は正確に敵のことを偵察してくるのに対して、大胆な人間は、しっかり確かめもせずに、これなら勝てると間違った報告を上げてくるからだ。

 どんな人間でも、強みを伸ばせば大きな戦力になる。上司は、部下の強みを見つける能力が非常に重要だ。
一人として強みのない人間はいないからだ。
税理士・中小企業診断士 安部春之

※この記事は、株式会社アベ経営作成の「あべなび」より、ご寄稿頂きました。

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